Python人気に今直ぐ乗って、人生安泰

 大手書店の店頭では、Pythonとそれを使った機械学習・スクレイピング・エクセル操作の書籍が平積みされています。人気言語の一つとして認識されている表れでしょう。
 TIOBE Software社から毎月発表しているプログラミング言語の人気が分かる指標があり、これを見ると3位とPython人気の裏付られます。
 この人気はいつまで続くかは誰も知りません。しかし、参加者が少ない今がブームの始まりなのは確かです。また、導入ハードルが低く活用範囲が広いため、ビッグウェーブが予想されます。この波に乗れば、将来仕事に困りません。断言できる理由は、過去に他の言語でも同様のことが起こったからです。

 プログラミング初心者で、これから活躍する20代、30代の方に対して、ソフトウェアエンジニアが今後のあなたの道しるべとなる情報を提供します。

Pyton人気は、人気を集めていたJavaを追い越す勢い

 TIOBE Softwareから毎月発表しているプログラミング言語の人気を計る指標は「TIOBEプログラミングコミュニティインデックス」で、これはGoogle、Bing、Yahoo!、Wikipedia、Amazon、YouTube、Baiduなどの人気のある検索エンジンを基に算出されるものです。下図をみると、2021年時点で、PythonはC言語、Javaに次いで3位です。
しかも、Javaとほぼ同じ評価値です。もはや2位と言い切っても良いのかもしれません。

 

2021年3月のTIOBEインデックス

2021年3月のTIOBEインデックス

 2002年から指標の推移もあり、Pythonの勢いの良さを確認できます。2017年までいま一つパッとしないPython(下図のライトグリーンの線)でしたが、2018年の頭から2021年に至るまでの間に躍進しています。
 対して、2位のJava(下図の黒い線)は、2002年から右肩下がりです。推移グラフだけを見れば、追い越すのも時間の問題とも思えます。ちなみに、2021年2月にPythonはJavaを追い越し、一時的に2位になっています。

2021年3月のTIOBEインデックスの推移

2021年3月のTIOBEインデックス

PythonはITエンジニアが学びたいプログラミング言語1位

 TIOBEインデックスは、世界の検索キーワードを基にした指標ですが、日本のITエンジニアを対象に行った結果もあります。実施したのは、パーソルキャリア株式会社が運営する社会人コミュニティ「TECH Street」です。ITエンジニア442名を対象にした調査で「2021年に学びたい(強化したい)言語」を2020年12月にWEBアンケートを行っています。
 アンケート対象が日本語を理解できるITエンジニアなので、より実態に近い結果が予想されます。そして、その結果、Pythonは最も人気のある言語でした。しかも、その人気は、圧倒的です。2位のJavaの3.5倍の人気で、大きく引き離しています。大型書店の平積みにされた光景とマッチしています。

ITエンジニアが2021年に学びたい(強化したい)プログラミング言語ランキング

TECH Street

Pythonに勢いがある理由

 この勢いの理由は、他でも語られていますが、実際にソースコードを編集し動かして確認した上で、特に重要なものを厳選しました。

ソースコードの編集量が少なく、製造時間の短縮に役立つ

 コード量を他の言語と比較すると、何をするかに依存しますが、簡単なものなら、Excelファイルの操作は1/2、スクレイピングは1/3で済みました。それ以外では、Excelから取り出した表データを加工する便利なライブラリがあり、他の言語と比較できないくらいシンプルに書けました。
 編集量の削減は、使用するライブラリが必要機能を満たしているかが鍵です。それが合っていれば極めて少ない記述で済みます。
 また、編集量の少なさは、想像以上の価値がありました。
 編集時間の削減はもちろん、不具合が入り込む余地が少なくなり、他者がソースコードを追う手間を減らすことができるからです。これは言い換えると製造コストの削減になります。

複数のプラットフォームでソースコードを変更することなく動かせる

 Linux・Windows・iOSでPythonを動かすことができます。これは、サービスを提供する側から見ると、一つのOSで動いているソースコードを他のOSで動かせるため、移植期間が短く、製造コストの大幅な削減になります。極めて大きなメリットです。最初は開発が容易なPCのプラットフォーム(OSその他の動作環境)で開発し、後にWEBサーバでサービスを展開するという事が容易に実現できます。また、Pytonの実行環境が最初から設定してある安価なレンタルサーバもあるのも強みです。

世界的に利用者が多いため、進行を妨げない

参加者の多さは、ITエンジニアにとって太陽光のような恩恵がります。

  • ライブラリが充実しているため、一から作らなくて済む
  • ライブラリの進歩が速い
  • 製造工程で問題が生じても、情報が多く解決されやすい、また助けてくれる人が多い

 公開されているソースコードが多いのも利点の一つです。記述が簡潔で理解しやすいため、何か機能を実装する場合、手間が少なく済みます。

データ集計や数学ライブラリが充実しているため、企業の需要を満たしやすい

 企業は、自社で集めたデータの分析を行い、またデータをもとに機械学習を利用してコスト削減や売上拡大を考えます。この需要に、Pythonがぴったり当てはまります。Pythonには、データの集計や、行列・微積分・確率統計を始めとする数式を処理できるライブラリが整い簡単に導入できるため、企業にとって都合のいいプログラミング言語です。

Python人気に急いで乗るべき理由は、有利なポジションが取れるため

 これまで見てきたように、人気に勢いがあり、それを裏付ける理由もあります。一時期のブームで終わる可能性は低いと見て、間違いありません。この人気に今直ぐに乗ることをお勧めします。何故かというと、過去にも似た現象を起こした言語あり、その時直ぐに波に乗り、有利なポジションを取り続けることができたからです。今回のPythonは、利用範囲が広いため、その時とは比べ物にならない恩恵を受ける事になります。

 過去にも似た現象を引き起こしたのが、Javaです。「Pythonに勢いがある理由」で挙げた理由の3つのは、Javaにも当てはまり、最後の一つ「データ集計や数学ライブラリが充実している~」だけが違います。Javaは、C++よりも記述が簡単で、プラットフォームを選ばず、2000年頃には既にメジャーな言語の一つになっていました。Pythonと同様、バックエンドとしての利用も始まっていました。カバー領域も、ほぼPythonと同じです。違いは、ターゲットです。Pythonの主戦場はデータ分析や機械学習であり、Javaはモバイル機器にあります。この点を除けば、両者は似ています。

 2001年頃、Javaの案件数がそこそこあるのに、エンジニアが確保できないという状況でした。この時、直ぐに名乗り出れば言い値が通りやすく、また案件を選びやすいため、箔の付く企業の案件を選択し易くなっていました。
 所属会社やあなた個人に箔が付けば、後の人生は楽になります。今がまさに一歩を踏み出す時です。

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